困っている人が考えていることとは、たいてい「困らないようになればよし」とするものである。
あなたは、そう考えることに時間を費やし、「困ったこと」がなくなった後に、幸せを探し始めようと考えてはいないだろうか?
あなたが「困っているサイクル」から抜けることが難しくなるのは、そのような考え方を続けているためだと言える。
自分の心の状態が、見える場所に立つ。
現在の考えが、「困ったこと」への対処で精一杯になっているとき、あなたは「困るサイクルの中にいる」と、判断する必要をもっている。
「困ったところ」を、見つめようとするのを、やめてない。
あなたが「困ったこと」を考えるにあたり、困らないところに移動するためには、「困っているサイクル」から「困らないサイクル」へと移動するイメージを必要としている。
いまの段階において、スムーズに「困らないサイクル」に移ろうとすることは難しいながらも、その希望を胸に、理想の状態に近づこうとする意思が必要。
「困らないサイクルとは、現在の自分にとって未知なるものでありながら、必ずそこに存在するのを信じる」という気持ちをもたなければ始まらない。
そうしない限り、あなたの心は常に「困るサイクル」へと立ち戻ろうとするはず。
まずは、「困らないサイクル」というところをイメージするために、「困るサイクル」とも「困らないサイクル」とも別の場所にある、「心の位置を俯瞰できる場所」に立つイメージをもってみて欲しい。
その場所であれば、自分がいかに「困るサイクル」において物事を眺めていたかということを、俯瞰することが可能。
そこは、「困らないサイクル」というもののイメージをまだつかめていない自分が、そのイメージを創り出すための考えに至ることを、可能にする場所であると言える。
例えば、私がこうしたメッセージを発するのを目にしている間、つまりあなたが普段の考えをひとまず脇において、この文章へと集中しているとき、あなたは「心の位置を俯瞰できる場所」にいる。
「なるほど。このまま考えていてもダメなのだ」ということを理解できる場所、「では、どうすればいいのか」ということを考えられる場所は、まさに「心の位置を俯瞰できる場所」である。
あなたがいまどこにいるのか、「困るサイクル」の中にいるのか、「困らないサイクル」へ移動するべく行動しようとしているのかどうか、あなたは自分の心の状態が見える場所に立つ必要がある。
もしもあなたがそこで、いつもの思考を繰り返そうとするならば、「困るサイクル」へと戻ることになるのである。
まずは、そうして心の状態を見る位置に立つことをあなたの習慣として得るのなら、これからあなたが最も望んでいるはずの「困らないサイクル」へと移動する話が、進めやすくなる。
さらに理解を深めるために、次項にも語ろう。