あなたが、困らない状況を得ていくためには、少しまた少しと、理解を進めていく必要がある。
あなたが苦しむ理由の一つに、困るというところのサイクルを繰り返しながら、「困らないこと」についての考えを巡らせるという、根本の誤りを繰り返す傾向が挙げられる。
「困るサイクル」、つまりはあなたが「困る」としか考えていないサイクルの中においての、発案は不可能である。
そこはまだ、あなたの「困るサイクル」の中。
「困るサイクル」において物事を考えようとすれば、すべてが「困る」という結論にしかならない。
このサイクルの中において、あなたの「困らない方法」を得るのは難しい。
「困ったこと」についての思考を巡らすばかりの自分に気づくときには、「困らないサイクル」へ移動する方法を理解することでしか、このサイクルを抜けられないと知るべき。
「困らないサイクル」とは、すでに述べてきたように、あなたの「困ったこと」を「愛」とみなし、困らない状況を「目標」として掲げ、あなたらしい考えをもつための「目的とする気持ち」を定めていく、というものである。
私がこれまで、「愛を見る」という心を忘れず、あなたの「目的とする気持ち」を感じるというところに焦点を合わせるべく話を続けてきたことについて、あなたの理解が得られているかどうかというところを、確認してみて欲しい。
あなたが「困っている」という気持ちをもたず、「大丈夫、進んでいこう」とする気持ちをもてる道を眺められているだろうか?
その道は、あなたにとって本来の幸せを感じる唯一の道であり、そこへと導かれているために「困ったこと」が起こっているのだ、と考えてみればいい。
そういう理解を得られたと感じる者は、それ相応の前向きな気持ちをもって、行動を共なう生活へと踏み出すことができる。
しかし、あなたの心の中、つまりは「そういった考えを必要とするのはわかったが、行動を共なう生活へと踏み出すにはまだ至っていない」と感じるのなら、「自分にはその困らないサイクルというものが、どんなものかわかっていない」と判断する必要がある。
そのとき、あなたが困るところのサイクルにおいて、「困らないサイクル」をイメージしようとも、何ら「困らない想像」ができていないということに気づくはず。
そして、「困らないことなどあるものか」とする、いつもと変わらぬ「困るサイクル」を繰り返す自分を見るだろう。
わかったつもりになるのは、容易。
しかし、改善という気持ちをもってはいてもその方法を理解できない理由とは、あなたが相変わらず「困るサイクル」の中にいるのをやめないままに、「困らないサイクル」のことを考えているためである。
つまり、あなたはそんなとき、「困るサイクル」の中、いつか困らないところへ行くことを夢見て、「困るサイクル」の中にいることを、選んでいる に等しい。
そこはまだ、あなたの「困るサイクル」の中であるがゆえ、「困る気持ち」を感じるのだと、気づかなければ始まらない。
まずは、あなたが「困るサイクルの中にいる」という自覚をもって、あなたの心の位置を確認できる場所に立つこと。
さらに理解を深めるために、次項にも語ろう。