あなたにとって「他人」とは、自分を映す鏡のような存在です。
あなたは、「他人」を見ながら、いつもそこに自分の姿を見ています。
なぜなら、あなたが理解できることは、「他人」のことではなく、常に自分のことだけだからです。
「他人」という鏡に映った自分
あなたが「他人」を眺めながらおこなっている「思考」は、完全にあなたの主観的な判断によるものです。
あなたは、「他人」という鏡に映った自分の姿を見ることによって、いま現在の自分のあり方を、よく理解することができるのです。
他人についての、何かの真実がどうであるのかということは、実際のところ、あなたにはほとんど何も理解できていません。
彼らは彼らの好きに生きているだけなのであり、その中で何がどうであるのかと定義づけているのは、いつでもあなた自身です。
だから、ある人物を見て、ネガティブな感情を覚えたなら、そのときにおこなったその「思考」は、実は自分自身がこだわっていること なのだと理解してみてください。
「あの人は、○○だから嫌だ」と考えたなら、
「実は自分が、○○なのではないか?」
「自分が○○になりたくないということに、こだわっているのではないか?」
というふうに、考え直してみてください。
あなたが他人についてのネガティブな面について語るとき、あなたは、実際には自分がどのような歪んだ「思考」で世界を見ているかということを語っているに過ぎません。
あなたが「嫌だ」とこだわっていることは、本当のところは自分自身の中にあるこだわりの部分への抵抗です。
あなたは、あなたの中にある嫌なこだわりを、まるで鏡のように見せられているのが、とても嫌なのです。
苦手な人を自分から遠ざけることが難しいと感じる理由は、「苦手だ」と感じているこだわりが、「他人」の中にあるからではなく、自分の中にあるからです。
あなたは、その「他人」のことをどうにかしようとするのをやめて、「他人」を見て判断している自分の「思考」のほうに変化を起こさなければなりません。
あなたが、本当にあなたの苦手な人に消えて欲しいと思うのなら、あなたには以下のことが必要であると理解してください。
(1)苦手な人との関係を招いてしまったのは、現在の自分に成長するべき部分があるということを理解するためだったのだということを悟り、自分がいまこだわっている嫌なものが何であるのかを理解する。
(2)自分はもっと明るくていい気分になれる考え方を選択し、もっと明るくていい気分になれる人間関係を築きたいということがわかったので、そのようなこだわりや歪んだ「思考」を手放そうと決意し始める。
(3)あなたの苦手な人に対して、そのこだわりを投影することであなたに大切なことを気づかせてくれたということに感謝する。そして自分にはもうその人は必要ないと選択し直し、苦手な人に対しては無関心になる。
あなたが上記のことを理解でき、あなた自身の考えを見直すことさえできれば、それまで気になっていた他人の言葉や態度についても、以前ほど気にならなくなるでしょう。
あなたは、その相手とは違った視点で物事を眺めていくことになりますので、自然と距離ができ始めます。
自分自身の問題に過ぎないということがわかったなら、その人にこだわる必要などないということが、正しく理解できるはずです。
あなたが理解できるのが、常に「他人」ではなく「自分」のことであるように、あなた以外の人は、あなたのことを100%理解することなどできていないのです。
次項で詳しく説明していきましょう。