「自分を大切にする」というのは、あなたがもっと「自分のことを、好きな人として扱う」ということです。
かつてないほどに大好きな人がそこにいるとして、あなたはその人に、どのように接するでしょうか。
ネガティブな考えを、話そうとするでしょうか?
我慢し続けることを、強いようとするでしょうか?
ためにならないことを、続けさせようとするでしょうか?
そのような扱い方は、したくないはずです。
大好きな人に、してあげられること。
「自分を大切にする」とは、つまりは自分という存在を客観的に理解し、慰め、気持ちよくさせるために必要なことを、見極めてあげるということ。
あなたの大好きな人が、よろこびや安心を得るために、何を薦めてあげたいと思うのか、よく考えてみましょう。
私たちは、「自分」のことになると、なかなか客観的にはなれず、困るようなことや悩むようなことをやり続けようとする、厳しい姿勢や習慣に従いがちです。
あなたは常に、自分の状況や考えを見守りながら、いまできることを自分にしてあげようとすること。
あなたがこよなく愛する人がそこにいて、「自分がその人にできることは何だろう」と考えるように、あなたが「自分」にしてあげられることは何であるかということを、自分のために考えてあげましょう。
つまり、自分で、自分のために、うまく動いてあげるということです。
「自分」がどうなれば本当に安心するのか、気持ちが楽になり、幸せを感じるのはどんな状況であるのか、ということを一生懸命考えてあげることにしましょう。
あなたが「自分」の目指す状況を理解できたなら、「自分」が、その目標を達成することを願い、無理のない範囲で、できることをしてあげましょう。
難しいと感じる場合には、あなたの大好きな人が、目の前で苦しんでいる様子を想像してみてください。
あなたは、大好きな人のために、まず、どうしてあげるのが一番いいのかわからないと感じるのではないでしょうか。
あなたが「自分を愛し、自分のためになんとかする」というのが、具体的にどのようにすればいいかわからないという状況は、これに等しいのです。
愛する対象が「自分」であれ「他人」であれ、あなたは愛する人の「本音」をじっくりと訊ね、自分にできることは何かと考え、無理をさせることをやめさせようとする必要がある、と理解してみましょう。
いまできることがあれば、してあげてください。
いまできることがないならば、「考える」のをやめさせましょう。
「自分」が二人いるとして、もう一人の「自分」にしてあげられそうなことをする、ということです。
後は、身体をよく休めるようにすれば、心も休まります。
楽しいことをすることに夢中になることを薦め、充実できそうなことを、やらせてあげてください。
とにかく、「自分」が本当に楽になり、望んでいるところへ連れて行くことを、一心に考えてあげること。
あなたにできることが、それしかないのだとわかれば、あなたが自分のことを「好きになれるかどうか」という問題ではないということに気づくでしょう。
あなたしか「自分」のことを救う方法を、理解できる人はいないのです。
次項で詳しく説明していきましょう。