頭の中は、放っておくと、物事を否定的に考えてしまう傾向があります。
人は、一日のうちの多くの時間を、無意識に否定的な考えを膨らませることに費やしています。
その理由は、ネガティブな「思考」が頭に浮かんでも、その考えには反応せずに無関心のまま放っておくべきという認識がないからです。
「思考パターン」は、変えられる。
普段から、自分の頭に浮かんだ「思考」には重要な意味があるはずだという前提に物事を考え始めていると、その「思考」を無視することを選択しようとしていないために、浮かんできた「思考」に自動的に反応し、「嫌なことを考えること」に慣れてしまいます。
懐疑的になることで身を守ろうとする心の働きがあるのかもしれませんし、もしかしたらそれは、否定的に考えることを誰かに教えられ、身についてしまった習慣なのかもしれません。
しかし、ネガティブな「思考」にとらわれ、望まない方向に考えを膨らませていても、あなたの得になることは何一つ起こりませんし、あなたがそのような考え方を続ける必要は、どこにもありません。
どんなに辛い(つらい)過去の「思考」も、未来の不安なイメージも、何度となくあなたがその考えにとらわれてしまう理由は、そこに重要な意味があるからでも、その問題から逃れられないからでもなく、そんな考え方をすることがあなたの「癖(クセ)」になっているからなのです。
そのことを理解することさえできれば、物事はそれ自体に悪意がなく、あなたが望むなら、その「クセ」は変えられるということがわかるでしょう。
頭は、放っておくと、浮かんできた「思考」を自分の慣れ親しんだ考え方で自動処理することを繰り返します。
あなたの頭の中を一旦「手動」にし、「考え方のクセ」を変更するためには、まず、頭の中が勝手に動いている様子を客観的に観察してみること。
あなたがあるキーワードや情報を目や耳から入力すると、プログラムが起動し、否定的な「思考」が生み出されるしくみが、頭の中ですでにできあがっている様子を確認してみてください。
肯定的な考えが頭に浮かんでも、すぐに否定的な考えでそれを打ち消し、一日のうちで何度も自ら「気分」を害していることに驚くかもしれません。
あなたが否定的な「思考」をすると、あなたの「気分」は悪くなります。
できれば、どのようなことを考えたときに、どのくらい「気分」が悪くなっているのかを観察し、紙に書き出してみましょう。
そうすれば、あなたの頭の中で連想的に否定的な「思考」に結びつけられる、いくつかの「思考パターン」があることに気づくはずです。
この「思考パターン」を見つけられたなら、これからあなたがするべきことは、この自動プログラムを切断し、新しい何かを始めようとすることです。
無意識におこなっていたクセを直すのは難しいと感じるかもしれませんが、まずは「気分が悪くなったことに気づいたら、それについて考えるのをやめ、別の何か、本当にあなたのためになるようなことをしようとする」という、新たなクセを身につけましょう。
紙に書き出した「思考パターン」が、頭に浮かんだときには気づくこと。
「ああ、これはこのまま考え続けると、かなり気分が悪くなるパターンだ」と、何度も気づくことが大切です。
ネガティブな「思考」に無関心になることが難しいと感じるのは、その「思考」に重要な意味があるからではなく、それ以外の情報や知識が足りていないためです。
あなたは、あなたの問題を解決しようとするのをやめるのではなく、非生産的な「思考」を膨らませて、自分の「気分」を悪くすることをやめにするのだということを、きちんと理解しなければなりません。
あなたが「いい気分」になろうとするなら、問題は解決に向かいます。
たとえそうは見えないときにも、すべてはうまくいっているのです。
次項で詳しく説明していきましょう。